羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

★★★★☆
久しぶりにリアル書店で手にとっておもしろそうだったので購入した一冊。最近はほとんどの買い物をネットで済ませてしまうので、本と偶然出会うということがありません。通販がいくら便利になってもリアル店舗はなくならないでしょうね。

傍若無人な従姉に振り回される何でも屋の男の子を描いた作品です。こう書くとハルヒっぽいことは避けられないのですけど、それはハルヒがあまりにも有名だからでしょう。実際には独立国家を作るという明確な目標があり、そのために金が必要だということで荒稼ぎして会社を作って運営していくお話です。続編前提の書き方なので、終盤の盛り上がりにちょっと欠ける印象を持ちましたけどおもしろかったです。

作者の方の本業が会社経営者ということで、会社経営とかその周辺の話題はかなりリアルです。株の話とかもあって資本主義社会の入門書としても取れるような気がします。もっとも、根底に流れているのは資本主義社会へのアンチテーゼのようですが。